不妊治療というと、女性側の検査や体外受精などの高度な治療に注目が集まりがちですが、実際には不妊の原因の約半数は男性側にも関与しています。
体外受精は身体的・経済的負担が大きいため、その前に男性側の検査・治療を行い、妊娠の可能性を高めることが大切です。
川越レディースクリニックでは、男性不妊にも力を入れ、ご夫婦の妊娠をサポートしています。
男性不妊の主な原因
男性不妊の原因はさまざまですが、大きく分けて「精子をうまくつくれない」「精子がうまく通らない」「性交がうまくできない」といった機能に分類されます。
また、ホルモンの乱れやストレス、生活習慣の影響なども見逃せません。
原因を正しく把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
造精機能障害
精子をつくる能力に問題がある状態で、男性不妊の原因の中でも最も多く見られるタイプです。
精子の数が極端に少ない(乏精子症)、運動率が低い(精子無力症)、形態に異常がある(奇形精子症)などが含まれます。
これらは遺伝的な要因やホルモンの異常、精巣の発育不全、過度なストレス、生活習慣の影響など、さまざまな要因によって引き起こされます。
精路通過障害
精子が正常につくられていても、精管や射精管に閉塞や損傷があることで、体外にうまく排出できない状態です。
先天的な形態異常のほか、過去の手術や感染症(精巣上体炎など)による癒着・閉塞が原因になることもあります。
精液中に精子がまったく見られない場合(無精子症)には、このタイプの障害が疑われることがあります。
性機能障害
勃起不全(ED)や射精障害など、性交がうまく行えない状態です。
ストレスや疲労、加齢、糖尿病・高血圧といった基礎疾患、あるいは薬剤の副作用などが関係していることもあります。
射精ができない場合は、精子を採取して人工授精や体外受精に進むことが検討されるケースもあります。
その他の原因
ホルモン分泌の異常(下垂体や精巣の機能低下)、遺伝的要因、慢性的なストレスや睡眠不足、肥満、喫煙、飲酒など、生活環境が男性不妊に影響することもあります。
また、長期間の高温環境での作業や、強い電磁波にさらされる職業環境も、精子の質に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
原因が一つに限らず、複数が複雑に絡んでいる場合もあるため、包括的な検査と対応が重要です。
当クリニックでの検査方法
男性不妊の治療では、まず精液検査を行い、精子の数・運動率・形態などを評価します。
また、精子のDNA損傷や酸化ストレスを評価する検査(DFI・ORP検査)を用いて、より詳しい原因を調べることも可能です。
主な男性不妊の検査は以下の通りです。
精液検査
男性側の妊孕性(妊娠するための力)を調べるために行う基本的な検査です。
射出された精液の量、精子の数、運動率、形態などを評価します。異常がある場合、受精が難しくなることがありますので、早期の確認が大切です。
当クリニックでは、WHOの基準に基づいた精密な分析を行っています。
料金 | 5,000円 |
---|
精子DFI・ORP検査
精子DFI(DNA断片化指数)検査は、精子のDNA損傷の程度を調べる検査です。
精子の質をより詳しく評価でき、不妊の原因解明や治療方針の検討に役立ちます。
ORP(酸化還元電位)検査は、精液中の酸化ストレスのバランスを測定し、精子機能に影響を与える要因を明らかにします。
検査 | 料金 |
---|---|
DFI検査 | 15,000円 |
ORP検査 | 5,000円 |
当クリニックでの治療方針
当クリニックでは、男性不妊に対しても積極的に取り組んでおり、専門的な検査結果をもとに最適な治療法をご提案しています。
また、診察は男性医師が担当しており、デリケートなお悩みでも安心してご相談いただける環境を整えています。
生活習慣の見直し
生活習慣は精子の質やホルモンバランスに大きく関わるため、男性不妊の改善において基本かつ重要なポイントです。
禁煙・禁酒はもちろん、肥満の改善も非常に重要です。体脂肪が増えると、脂肪組織内のアロマターゼという酵素の働きにより、男性ホルモン(テストステロン)が女性ホルモン(エストロゲン)へと変換されやすくなります。
その結果、テストステロンの低下とエストロゲンの増加が起こり、精子をつくる力(精子形成能)が落ちることがあります。さらに、肥満は血管内皮機能を低下させ、勃起不全(ED)のリスクも高めます。
栄養バランスのとれた食事、適度な運動、質の良い睡眠を心がけることで、精巣機能の改善やホルモンバランスの正常化が期待できます。
当クリニックでは、患者さま一人ひとりの生活スタイルに合わせた具体的なアドバイスも丁寧に行っています。
サプリメントの提案
精子の質を保つためには、栄養素の補給も大切です。
特に亜鉛・ビタミンC・ビタミンE・L-カルニチン・コエンザイムQ10など、抗酸化作用や精子の運動性向上に関与する成分が注目されています。
当クリニックでは、血液検査や生活状況をふまえたうえで、必要に応じて精子の状態をサポートするサプリメントをご提案しています。
市販の製品に不安を感じる方にも安心してお使いいただけるよう、品質や成分にも配慮した選定を行っています。
性機能のサポート(ED治療薬など)
性交に支障がある場合には、勃起不全(ED)を改善するための内服薬(バイアグラなど)を使用することがあります。
年齢や健康状態に応じて、適切な薬剤を選び、安全にご使用いただけるよう処方いたします。
また、心理的な要因やストレスが影響している場合には、不妊カウンセラーとの連携も行い、治療をサポートしていきます。
漢方薬の処方
体質や体調を整えることを目的に、必要に応じて漢方薬を取り入れることがあります。
冷え性や疲労感、ストレスの多い方などには、漢方的なアプローチが有効な場合もあります。
患者さま一人ひとりの症状に合わせて処方を検討し、無理のない治療をご提案しています。
男性お一人でも気軽にご相談ください
男性不妊は、早めに検査・対策を行うことで妊娠の可能性を高められるケースも少なくありません。
「自分だけで受診して大丈夫かな…」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当クリニックでは男性お一人でのご相談も歓迎しています。
デリケートなお悩みだからこそ、プライバシーに配慮しながら丁寧に対応いたします。
ご夫婦でのご来院はもちろん、男性本人だけで気軽に受診いただくことも可能です。
どうぞ安心してご相談ください。