風疹(ふうしん)は、「三日はしか」とも呼ばれるウイルス性の感染症です。
多くの場合は軽い発熱や赤い発しん、リンパ節の腫れといった軽症で済みますが、妊娠中の女性が感染すると胎児に重大な影響を及ぼすことがあります。
特に妊娠初期の感染は、赤ちゃんに先天性風疹症候群(CRS)を引き起こすリスクがあり、事前の抗体検査と予防接種が非常に重要です。
妊娠と風疹のリスク
妊娠中に風疹に感染すると、母体だけでなく胎児にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。
特に妊娠初期の感染は、胎児に一生涯残る障害を引き起こすことがあるため、独身、妊活中の女性はもちろん、夫や周囲の方々も風疹抗体をもっていないと思われる方々は、抗体チェックし、陰性の方はワクチン接種をしていただき、新しい命を守って参りましょう。
先天性風疹症候群(CRS)と主な症状
風疹ウイルスは胎盤を通じて胎児に感染することがあり、妊娠初期(特に妊娠12週以内)に母体が感染した場合、胎児が先天性風疹症候群(CRS)を発症する可能性があります。
CRSの主な症状には以下のようなものがあります。
- 感音性難聴(聴覚障害)
- 白内障、網膜の異常などの視覚障害
- 心臓の先天異常(動脈管開存など)
- 発育不全、知的発達の遅れ
これらの障害は一生にわたって影響を及ぼすため、感染を防ぐことが何より重要です。
風疹抗体検査とは
風疹抗体検査は、風疹ウイルスに対する免疫(抗体)を持っているかを確認するための血液検査です。
過去に風疹にかかったことがあっても、時間の経過とともに抗体価が低下している場合があり、免疫が不十分なケースもあります。
検査の目的
風疹抗体検査は、妊娠前の女性が風疹に対する十分な免疫を持っているかを確認し、胎児への感染リスクを未然に防ぐことを目的としています。
また、周囲にいるパートナーや家族が感染源とならないよう、必要に応じて同様に検査・ワクチン接種を行うことも大切です。
検査の方法
血液を採取して、HI抗体価やEIA法によるIgG抗体の有無を調べます。
抗体価が基準以下であれば、予防接種が推奨されます。
結果は数日で判明し、医師が丁寧にご説明しますのでご安心ください。
当クリニックでの検査・接種について
川越レディースクリニックでは、妊娠前の女性やそのパートナーの方に向けて、風疹抗体検査および必要に応じた予防接種を行っています。
川越市の制度を利用することで、対象者の方は公費(無料)で検査・接種が可能です。

川越市の公費制度
川越市にお住まいの方は、妊娠を希望する女性とその配偶者等を対象に、風疹抗体検査および抗体がなかった場合のワクチン接種を、公費(無料)で受けることができます。
詳細や対象条件については、クリニックまでお気軽にお問い合わせください。
実施時の注意点
・妊娠中の方は予防接種を受けることができません。妊娠前に計画的に検査・接種を受けましょう。
・一般診療と抗体検査・ワクチン接種は同日に行うことができません。別日のご予約をお願いいたします。
ご希望の方は当クリニックまでご相談ください
風疹は多くの人にとって軽症でも、妊婦さんと赤ちゃんには深刻な影響を与える可能性がある感染症です。
そのため、妊活中の女性はもちろん、男性の方やパートナー、ご家族にも風疹の抗体検査と予防接種をおすすめしています。
これは、自分自身と未来のお子さまを守るだけでなく、第三者への感染拡大を防ぐ社会的な配慮にもつながる重要な取り組みです。
当クリニックでは、川越市の公費制度を活用した検査・接種も対応しております。
風疹に不安がある方、妊娠をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。