月経不順・無月経について

正常な月経周期は、一般的に20日以上40日以下とされています。
この範囲内で周期が変動している場合は「月経不順」には該当しません。
しかし、20日未満または40日以上の周期が慢性的に続く場合は、月経不順が疑われ、ホルモンの精密検査が必要です。

月経不順の原因として、もともとのホルモン分泌機能の問題が考えられますが、思春期の無理なダイエットや肥満などによってホルモンバランスが乱れることもあります。
長期間にわたり月経不順や無月経を放置すると、難治性の不妊症や精神的な不調の原因となることがあります。
そのため、必ず原因を明らかにし、適切な治療を行って月経周期を整えることが大切です。

また、日本人女性の閉経年齢は長寿化に伴い、50歳半ばまで高年齢化が進んでいます。
「40代だから閉経しても問題ない」と放置せず、適切な管理が必要です。
閉経後に更年期症状が重症化したり、重度の骨粗しょう症を引き起こす原因にもなりますので、早めの対応をおすすめします。

当クリニックでの治療方針

川越レディースクリニックでは、症状やご希望に応じて、以下のような治療方針をご提案しています。

症状の聞き取りや検査と原因の把握

月経不順や無月経の原因を特定するため、詳細な問診と各種検査を行います。
痩せすぎ(るいそう)や肥満も、ホルモンバランスの乱れを引き起こす原因になります。

また、ホルモン検査を実施し、原因を明確にしていきます。

ホルモン療法の適用

ホルモンバランスが乱れている場合は、ホルモン療法を行い、月経周期の調整を目指します。
治療には、低用量ピルや黄体ホルモン製剤を使用し、規則的な月経を促します。

また、無月経の場合もホルモン療法を用いて、月経の再開を目指します。

生活習慣の見直しとサポート

肥満やるいそうが原因の場合、栄養指導を行います。
ただし、1回の指導だけで体重が正常化するものではありません。

当クリニックでは、栄養士が定期的に栄養指導を行い、体重が正常な範囲に戻るまで継続的にサポートいたします。
また、必要に応じて運動療法や薬物療法のご提案も可能です。

必要な検査の実施

経腟超音波検査や血液検査を行い、子宮や卵巣の状態を確認します。
甲状腺ホルモンの異常や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性がある場合、追加の検査も実施します。

受診のタイミングについて

以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 3ヶ月以上月経が来ない
  • 月経周期が毎月異なる
  • 極端な月経過多または月経が少ない
  • 妊娠を希望しているが月経不順が続いている
  • 急激な体重変化やストレスが続いている

「この程度で相談していいのかな」と迷うようなことでも構いません。
少しでも不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。