「トイレが近い」「急に尿意を感じて間に合わない」「咳やくしゃみで尿が漏れる」といった排尿のトラブルは、年齢を重ねるにつれて増加します。
骨盤底の筋肉が弱くなることや、膀胱の過活動、自律神経の不調、女性ホルモンの減少などが背景にある場合が多いです。
中には泌尿器科の疾患や糖尿病が関係することもあるため、軽視せずに状態を把握しておくことが大切です。
当クリニックでの治療方針
川越レディースクリニックでは、症状やご希望に応じて、以下のような治療方針をご提案しています。
症状の聞き取りと原因の把握
頻尿や尿漏れの原因を特定するため、詳細な問診と検査を行います。
日常生活の確認、過去の治療歴、生活習慣やストレスの有無などを丁寧に伺い、原因の特定を進めます。
原因 | 説明 | 主な症状 |
---|---|---|
骨盤底筋の緩み | 骨盤底筋は膀胱や尿道を支える重要な役割を持ちます。年齢や出産、運動不足により筋力が低下すると、尿が漏れやすくなります。 | 咳・くしゃみ時の尿漏れ、重いものを持ち上げた時の漏れ |
過活動膀胱 | 膀胱が過敏になり、少量の尿でも強い尿意を感じる状態です。急な尿意が生じ、トイレまで間に合わないこともあります。 | 頻繁な尿意、急な尿意、トイレまで間に合わない |
女性ホルモンの減少 | 更年期に伴いエストロゲンが減少することで、膀胱や尿道の粘膜が薄くなり、排尿機能が低下します。 | 尿漏れ、排尿後の違和感 |
泌尿器系の感染症 | 膀胱炎や尿道炎は、細菌感染によって膀胱や尿道に炎症が起こり、排尿時の痛みや頻尿を引き起こします。 | 排尿時の痛み、頻尿、残尿感 |
自律神経の乱れ | ストレスや疲労、生活リズムの乱れによって自律神経が不安定になり、膀胱の働きが影響を受けます。 | 夜間の頻尿、トイレを我慢できない |
骨盤底筋トレーニング・生活習慣の改善
骨盤底の筋力が弱まると、膀胱や尿道への支えが弱くなり、頻尿や尿漏れが起きやすくなります。
当クリニックでは、骨盤底筋トレーニングの方法を指導し、日常生活で無理なく続けられるようサポートいたします。
薬物療法の適用
症状の程度に応じて、過活動膀胱を抑える抗コリン薬やβ3作動薬を処方することがあります。
また、女性ホルモンの減少が関係している場合には、ホルモン補充療法(HRT)を検討します。
それぞれの薬については、効果や副作用を詳しく説明し、安心して治療を進めていただけるよう努めています。
必要な検査の実施
経腟超音波検査や尿検査を行い、膀胱や尿道の状態を確認します。
さらに、必要に応じて膀胱機能検査(Urodynamics Test)を行い、尿の出方や貯まり方の異常を調べます。
受診のタイミングについて
以下のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- トイレが近くなり、日常生活に支障が出ている場合
- 尿意を我慢できず、漏れてしまうことがある場合
- 咳やくしゃみで尿が漏れる場合
- 夜間のトイレ回数が多く、眠れない場合
- 排尿時に痛みや違和感がある場合
「少し気になるけれど…」という場合でも、お気軽にご相談ください。