無排卵について

無排卵とは、卵巣から卵子が排出されない状態を指します。
月経(生理)があっても排卵が起きていない「無排卵月経」もあり、自覚しにくいことが多いのが特徴です。

ホルモンバランスの乱れやストレス、過度なダイエット、体重変化、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などが主な原因として挙げられます。

脳(視床下部・下垂体)と卵巣が連携して排卵をコントロールしていますが、生活習慣やストレスの影響でホルモン分泌が乱れると、排卵が起こらなくなることがあります。

また、思春期や更年期のようにホルモンの変動が大きい時期にも、一時的に無排卵が起こることがあります。

このように無排卵が続く状態を「無排卵症」と呼び、放置すると月経不順や不妊の原因になることもあります。
月経周期の乱れや排卵がうまく起きていないと感じる場合は、早めの受診をおすすめします。

主な症状

  • 月経周期が不規則になる(周期が長い・短い、来たり来なかったりする)
  • 出血量が少ない、またはダラダラ続く
  • 排卵痛やおりものの変化(排卵期の粘調なおりもの)が乏しい
  • 基礎体温が二相にならない(高温期が出ない)
  • 妊娠しにくい(不妊)

診断方法

当クリニックでは以下の方法で診断を行っております。

ホルモン検査

血液検査でLH・FSH・エストロゲン・プロゲステロンなどの値を確認し、排卵の有無やホルモンのバランスを評価します。

超音波検査(エコー)

卵巣内の卵胞の発育状況や排卵後の所見を確認します。
PCOSなど特徴的な所見の把握にも有用です。

基礎体温の確認

基礎体温の推移を拝見し、低温相・高温相の二相性があるかどうかを判断します。
院内で測定方法のアドバイスも行います。

当クリニックでの治療方針

川越レディースクリニックでは、原因やご希望(妊娠希望の有無・時期)に合わせて、体への負担が少ない方法から段階的に治療を行います。

治療法 目的・内容
生活習慣の見直し 睡眠・栄養・体重コントロール・ストレスケアを整え、ホルモンのリズムを回復させます。
ホルモン療法(周期調整) 低用量ピルや黄体ホルモン製剤などで月経周期を整え、子宮内膜の過不足を防ぎます。
排卵誘発 妊娠を希望される場合、内服薬等で卵胞発育と排卵を促す治療を行います。必要に応じて超音波でフォローします。
併存症の評価・連携 PCOSが疑われる場合や肥満・代謝異常が背景にある場合は、栄養指導や生活習慣改善も含めて総合的にサポートします。

治療内容は、症状の程度・年齢・ライフステージ・副作用リスクなどを踏まえ、個別にご提案します。
ご不安やご希望は遠慮なくお伝えください。

受診の目安

  • 月経が3ヶ月以上来ていない、または周期が大きく乱れている
  • 基礎体温で高温期が出にくい(1〜2ヶ月確認しても二相にならない)
  • 排卵検査薬で陽性が出にくい、排卵期のおりものの変化が乏しい
  • 妊娠を希望しているが、排卵しているか不安

早めに状態を確認することで、将来の選択肢を広げやすくなります。
まずはお気軽にご相談ください。