婦人科外来で多いお悩み

毎月の生理がつらい、周期が不安定、突然の出血が不安……。といった悩みは、人には言いづらく、我慢してしまうことも少なくありません。

しかし、異変がある場合には体からの大切なサインかもしれません。

痛みや不調を「普通」と思い込まず、一度専門医に相談することも大切です。
当クリニックでは、一人ひとりのお悩みに寄り添い、適切な診察と治療を行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

月経痛

月経痛は、生理のたびに下腹部や腰、背中にかけて痛みを感じる症状です。
子宮内膜が剥がれる際に子宮が収縮することで起こる自然な反応ですが、痛みの程度には個人差があり、日常生活に支障をきたすほど強い痛みを感じる方もいます。

一般的には10代から20代前半の若い女性に多く、加齢とともに軽くなることもありますが、30代以降に痛みが強くなる場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患が隠れていることもあります。

月経不順・無月経

月経不順とは、月経周期が毎回大きく異なる状態で、25日未満や40日以上の周期が続く、周期がばらばらになる、月経が来ない(無月経)といったケースが含まれます。

思春期の体の発達過程や閉経前のホルモン変動によるものもありますが、20代〜40代での月経異常はホルモンバランスの乱れやストレス、体重の変化、過度な運動などが影響している場合もあります。
長期間の無月経は将来的な不妊リスクや骨粗しょう症の原因にもなり得るため、注意が必要です。

不正性器出血、月経が止まらない

不正性器出血とは、月経以外の時期に出血がある状態を指し、性行為後や排便時、あるいは突発的に出血が起こることもあります。

また、月経が始まってから1週間以上出血が続く場合は「過長月経」と呼ばれ、ホルモン異常や子宮の病気が関係している可能性があります。
加齢にともなうホルモン変動やストレスが原因の場合もありますが、子宮頸管ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮体癌などが関与しているケースもあるため、注意が必要です。

下腹痛

下腹部の痛みは月経に関連して感じられることが多いですが、それ以外にもさまざまな原因があります。
鈍く重い痛み、周期的な痛み、急激に強くなる痛みなど、症状の現れ方や継続時間により原因が異なります。

子宮や卵巣、膀胱、腸など骨盤内にある臓器由来の痛みであることが多く、月経に関係ないタイミングでの強い痛みには注意が必要です。
便秘やガスの滞留による一時的な痛みもありますが、繰り返す場合には婦人科疾患が隠れていることもあります。

頻尿、尿漏れ

「トイレが近い」「急に尿意を感じて間に合わない」「咳やくしゃみで尿が漏れる」といった排尿のトラブルは、年齢を重ねるにつれて増加します。
骨盤底の筋肉が弱くなることや、膀胱の過活動、自律神経の不調、女性ホルモンの減少などが背景にある場合が多いです。
中には泌尿器科の疾患や糖尿病が関係することもあるため、軽視せずに状態を把握しておくことが大切です。

性交痛

性交時に腟の入口や奥に痛みを感じる状態で、性的な接触が不快・苦痛に感じられることがあります。
閉経後の女性に多い腟の乾燥や萎縮、感染症、子宮内膜症などの身体的な要因に加え、過去の体験や不安感、緊張といった心理的な影響も関係します。

痛みが続くことでパートナーとの関係や自己イメージに影響が出ることもあるため、早めに相談することが望ましいです。

おりもの、かゆみ、におい

おりものは女性の体を守る大切な役割を担っていますが、量や色、においに異常がある場合は何らかの異常のサインであることがあります。
白くポロポロしたおりもの、泡状でにおいが強いもの、黄緑色でかゆみを伴うものなど、変化のパターンはさまざまです。

原因としては、カンジダやトリコモナスといった感染症、細菌性膣症、性感染症などが考えられます。

月経前の体調不良

月経の1~2週間前から現れる身体的・精神的な不調のことを「月経前症候群(PMS)」と呼びます。
代表的な症状には、イライラ、気分の落ち込み、眠気、むくみ、頭痛、乳房の張りなどがあります。

原因は女性ホルモンの急激な変動によるとされ、生活の質に影響を及ぼすこともあります。中でも、精神症状が強い場合は「月経前不快気分障害(PMDD)」と診断されることがあります。