過活動膀胱とは、自分の意思に関係なく膀胱が収縮してしまい、急に強い尿意を感じたり、トイレが近くなったりする症状を指します。
尿意を我慢できず漏れてしまう「切迫性尿失禁」を伴うこともあり、生活の質(QOL)に大きく影響する疾患です。
加齢や骨盤底の筋力低下、ホルモンの変化、ストレスや自律神経の不調などが関与すると考えられています。
主な症状
過活動膀胱には、以下のような症状が見られます。
- 突然、我慢できないような強い尿意を感じる(尿意切迫感)
- 日中の排尿回数が増える(頻尿)
- 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
- 尿意を我慢できず漏れてしまう(切迫性尿失禁)
これらの症状は単独で現れることもあれば、複数が組み合わさっていることもあります。
周囲に相談しづらい内容であるため、我慢している方も多く見られますが、放置せずご相談いただくことで症状の改善が期待できます。
診断方法
当クリニックでは以下の方法で診断を行っております。
問診・症状の聞き取り
まずは尿意の頻度やタイミング、失禁の有無、生活への影響などを丁寧にお伺いします。
問診票や質問票を用いて症状の程度を客観的に把握することもあります。
尿検査・残尿測定
膀胱炎など他の疾患との鑑別のために尿検査を行います。
また、排尿後に膀胱内にどの程度尿が残っているか(残尿量)を超音波で確認し、排尿機能を評価します。
膀胱日誌(排尿記録)
ご自宅での排尿の回数、量、尿意の強さ、失禁の有無などを数日間記録していただくことで、症状のパターンや重症度を把握します。
診断や治療方針の決定に役立つ大切な情報です。
当クリニックでの治療方針
川越レディースクリニックでは、患者さまの症状や生活状況に応じて、以下のような治療を段階的にご提案しています。
治療法 | 内容・目的 |
---|---|
生活指導 | 排尿間隔の調整、刺激物の制限など |
骨盤底筋体操 | 尿道・膀胱を支える筋肉を鍛える運動 |
薬物療法(内服) | 抗コリン薬、β3作動薬で膀胱の収縮を抑える |
いずれも、無理のない範囲で継続できるよう、患者さまのペースに合わせてサポートいたします。
「年齢のせい」と諦めず、お困りの症状があればどうぞお気軽にご相談ください。