外陰コンジローマについて

外陰コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって外陰部や肛門まわりにイボ状の病変ができる疾患です。
性的接触を介して感染し、免疫が低下しているときに発症・増殖しやすくなります。

見た目に特徴があるものの、痛みやかゆみなどの自覚症状が乏しい場合もあります。放置すると広がる可能性があるため、注意が必要です。

主な症状

外陰コンジローマの主な症状は、外陰部や肛門まわりにできるイボ状の病変です。以下のような特徴があります。

  • 小さなイボが数個〜多数集まってできる
  • 鶏冠状(とさかのような形)やカリフラワー状になることもある
  • 柔らかく、淡いピンク色〜肌色
  • かゆみや軽い痛みを伴うこともあるが、無症状のことも多い

ご自身では見えにくい部位にできることもあり、違和感や下着のこすれなどで気づくケースもあります。
放置していると増殖したり、パートナーへの感染源となる可能性もあるため、早めの診断・治療が大切です。

診断方法

当クリニックでは以下の方法で診断を行っております。

問診・視診

まずは症状の経過や性交渉の有無、既往歴、免疫状態などについて詳しくお伺いします。
その後、外陰部を視診し、イボの数や大きさ、形状、分布を確認します。

拡大鏡による観察(ダーモスコピー)

必要に応じて拡大鏡や特殊なライトを使って病変を詳しく観察し、他の良性腫瘍や皮膚疾患との鑑別を行います。
とくに見た目が似ている尖圭状のイボや皮膚タグとの区別が重要です。

必要に応じた病理検査

診断が難しい場合や悪性の可能性が否定できない場合には、組織の一部を採取し、病理検査を行うこともあります。
外陰部のがんや前がん病変との鑑別のためにも有用です。

当クリニックでの治療方針

川越レディースクリニックでは、外陰コンジローマの大きさや数、部位、患者さまのご希望に応じて適切な治療を行います。

主な治療方法は以下の通りです。

  • 液体窒素による凍結療法(冷凍凝固)
  • 外用薬(イミキモドなど)の処方
  • 大きな病変の場合は、連携する医療機関での切除や電気凝固療法のご紹介

ウイルスの性質上、治療後も再発することがありますので、定期的な診察と経過観察が大切です。
また、HPVワクチン接種によって将来的な予防が期待できるタイプもあるため、ご希望があればワクチンのご案内も行っています。

気になる症状がある方や、検診で指摘を受けた方は、どうぞお気軽にご相談ください。