子宮体癌について

子宮体癌は、子宮内膜に発生するがんで、主に閉経後の女性に多くみられます。
エストロゲンの単独分泌が長期間続くことがリスクとされ、肥満や糖尿病も関連が深いとされています。
初期症状として不正出血が多く、早期に発見されやすいがんです。

主な症状

子宮体癌の初期には、以下のような症状が現れることがあります。

  • 閉経後の不正出血
  • 月経以外の時期の出血
  • 水っぽいおりものや茶褐色のおりもの
  • 下腹部の違和感や軽い痛み

特に閉経後の出血は、子宮体癌の初期症状として最も多くみられるため、見過ごさずに受診することが大切です。
月経がある方でも、月経の量が急に増えたり、周期が不規則になったりする場合には注意が必要です。

子宮頸癌との違い

比較項目 子宮頸癌 子宮体癌
発生部位 子宮の入口(頸部) 子宮の奥(体部・内膜)
主な原因 HPV感染 エストロゲン過剰、肥満など
好発年齢 20代〜40代 50代以降
主な初期症状 無症状、不正出血 不正出血、茶褐色のおりもの
検診方法 子宮頸がん検診(細胞診) 症状に応じて内膜検査を実施

診断方法

当クリニックでは以下の方法で診断を行っております。

問診・診察

初診時には、月経や出血の状況、既往歴、妊娠・出産歴、肥満・糖尿病などのリスク因子について詳しくお伺いします。
診察では子宮の大きさや圧痛の有無などを確認しますが、必要に応じて検査を組み合わせて総合的に判断していきます。

経腟超音波検査

膣内に細いプローブを挿入し、子宮内膜の厚さや子宮の内部構造を観察します。
閉経後の女性で子宮内膜が厚くなっている場合や、内部に不整な腫瘤が見られる場合は、子宮体癌の疑いがあります。
検査は短時間で痛みも少なく、初期のスクリーニングとして有効です。

子宮内膜細胞診・組織診

子宮の中に細い器具を挿入し、内膜の細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査です。
細胞診ではがん細胞の有無を確認し、組織診では異型細胞の構造や浸潤の程度などを詳しく診断します。
確定診断に重要な検査であり、子宮体癌が疑われる際には必ず行われます。

MRIなどの画像検査

子宮体癌が疑われる場合には、MRIを用いて病変の大きさや広がり、他の臓器への浸潤の有無を確認します。
特に子宮筋層への浸潤度やリンパ節転移の評価に有効で、治療方針の決定にも重要な情報を提供します。

当クリニックでの治療方針

川越レディースクリニックでは、子宮体癌が疑われる症状に対して、丁寧な問診と超音波検査を行い、必要に応じて子宮内膜の採取検査を実施しております。

異常が見つかった場合には、提携する高度医療機関と連携し、速やかに精密検査や治療に進んでいただけるようサポートいたします。
患者さまの不安をできるだけ軽減できるよう、わかりやすい説明と安心感のある対応を心がけております。

閉経後の不正出血や、気になる症状がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。