膣内フローラ検査について

腟内フローラ検査は、腟内に生息する細菌のバランスを調べ、妊娠や出産、腟トラブルに関わるリスクを把握するための検査です。

健康な腟内は主に乳酸菌(ラクトバチルス属)が優位で弱酸性に保たれていますが、このバランスが崩れると細菌性腟症や妊娠経過への影響が生じることがあります。

当クリニックでは、腟スワブ検体から12種類の菌構成を分析できる検査を導入し、結果をわかりやすくご説明します。

腟内フローラ検査でわかること

腟スワブから採取した検体を専門機関で解析し、善玉菌(乳酸菌)とその他の菌群のバランス、細菌性腟症や早産に関連する菌の有無などを確認します。

主な分析項目と内容

分析項目 内容の概要
ラクトバチルス属(善玉菌) 乳酸を産生して腟内を弱酸性に保つ中心的な菌群。割合が高いほど腟内環境は良好と評価されやすい。
細菌性腟症関連菌 ガードネレラ属など、腟内pH上昇や不快なおりもの・においに関与する菌群。増えると腟炎を繰り返しやすい。
早産・妊娠経過に関与する菌 妊娠中の腟内環境悪化と関連が示唆される菌群。検出状況は妊娠管理の参考情報となる。
嫌気性菌のバランス 嫌気性菌が優位になると善玉菌が相対的に減少し、腟内フローラの乱れ(ディスバイオーシス)につながる。
多様性・優占種の傾向 どの菌が優勢か、善玉菌がどの程度優占しているかを確認。治療や生活改善の方向性を検討する材料になる。
総合評価(解釈の指標) 各菌群の検出と相対的なバランスを踏まえた腟内環境の見取り図。必要に応じて追加検査や対策をご提案。

腟内フローラ検査がおすすめの方

膣内フローラ検査は以下のような方におすすめです。

妊娠を希望している方

妊娠を目指す段階で腟内環境を整えることは、感染症リスクの低減や治療計画の最適化に役立ちます。基礎検査として早めの確認がおすすめです。

なかなか妊娠に至らない方

一般的な不妊検査に加え、腟内フローラの乱れが背景にないかを評価します。結果を踏まえて治療方針や生活面の見直しをご提案します。

流産・早産の既往がある方

妊娠経過に影響し得る菌群の存在を確認し、再発予防の観点から腟内環境の管理や追加検査の要否を検討します。

腟炎を繰り返す方

おりものの量・におい・かゆみを繰り返す場合、菌のバランスの乱れが背景にあることがあります。再発防止の糸口として有用です。

流れと検査方法

腟内フローラ検査の主な流れは以下の通りです。

  1. 受診・問診
  2. 腟スワブによる検体採取(短時間で終了、痛みはわずか)
  3. 検体を専門検査機関へ送付
  4. 約1〜2週間後に結果をご説明(対面または必要に応じて再診時)

検査方法について

腟内フローラ検査は、専用のスワブ(綿棒)で腟内の分泌物を軽く採取して行います。
短時間で済み、痛みや出血の心配はほとんどありません。

検査結果と対策

検査結果では、善玉菌(乳酸菌)の割合や、細菌性腟症・妊娠経過に関わる菌の検出状況、全体バランスを総合的に確認します。
結果に応じて、生活習慣の見直し、再発予防のケア、追加検査のご提案などを行い、個別にご案内いたします。

フローラの環境が良くなかった場合には、まず原因となる感染や炎症に対して適切な治療を行い、その後、腟内の乳酸菌環境を整えるためのサポートを行います。
腟内環境を安定させることで、再発の予防や妊娠を目指す方のサポートにつなげていきます。

本検査は診断を直接確定するものではなく、臨床情報と合わせて医師が総合的に判断します。

膣内フローラ検査の料金

料金 15,000円

子宮内フローラ検査との違い

腟内フローラ検査と子宮内フローラ検査は、どちらも「菌のバランスを調べる」という点では共通していますが、調べる部位や目的が異なります。

項目 腟内フローラ検査 子宮内フローラ検査
検査部位 腟内(外陰部に近い部分) 子宮内(子宮内膜の表面)
採取方法 腟スワブでの簡便な採取。痛みはほとんどありません。 子宮内膜を細いカテーテルで採取。多少の刺激を伴う場合があります。
検査の目的 腟炎や早産、感染症リスクなど、腟内環境の乱れを確認。 着床や妊娠成立に影響する子宮内環境を確認。
対象となる方 妊活中・妊娠中・腟炎を繰り返す方など幅広い方。 体外受精や高度生殖医療を検討している方。
検査結果からわかること ラクトバチルス属(乳酸菌)の割合や、悪玉菌の有無など腟内の防御環境。 子宮内における乳酸菌の比率と、炎症に関わる菌の有無。
検査の意義 感染予防や再発防止、妊娠経過の安定に役立つ。 着床環境の最適化や不妊治療の精密化に役立つ。

腟内フローラ検査は、外陰部〜腟内の菌環境を評価することで感染リスクや再発防止の糸口を見つける検査です。

一方、子宮内フローラ検査はより子宮内部の環境を対象としており、体外受精などの高度生殖医療と関連するケースで行われます。
目的やリスク、受けるタイミングが異なるため、どちらの検査が適しているかは医師が状態に応じてご案内いたします。

市販の検査キットとの違い

最近では、自宅でできる腟内フローラ検査キットも販売されていますが、医療機関で行う検査とは目的や活用範囲が異なります。

当クリニックでの検査は、単に「結果を知る」だけでなく、結果をもとにした医師の判断とアフターフォローまでを含めた総合的なサポートが特徴です。

項目 市販の検査キット 当クリニックの検査
検体採取 自己採取(自宅で綿棒を使用) 医師よる適切な採取
検査の精度 採取部位や手技によってばらつきが出やすい 適切な採取方法で安定した精度の結果が得られる
結果の見方 郵送またはWebで自己確認。医師の解釈はなし。 医師が臨床情報とあわせて結果を解釈し、丁寧に説明
結果後の対応 結果を見ても具体的な対応方法がわからない場合が多い 結果をもとに、必要な治療・生活指導・追加検査を提案
サポート体制 相談窓口は基本的にメール対応のみ 再検査や治療まで一貫してフォロー可能
利用シーン セルフチェックとしての簡易的な確認 妊娠希望・腟炎再発・妊娠中の管理など、医療的評価が必要な場合

腟内フローラの状態は、体調やホルモンの変化によっても日々変動します。
市販キットでは「今の状態」を知ることはできますが、結果の意味を正確に判断したり、治療につなげることは難しい場合があります。

当クリニックでは、結果を医師が臨床的に評価し、必要に応じて感染症検査や治療・生活指導までを含めたサポートを行っています。
不安な結果が出た場合も、そのまま放置せず、次のステップにつなげられる体制が整っています。

お気軽にご相談ください

腟内フローラの状態を知ることは、妊娠を目指す方や腟トラブルを繰り返す方にとって大切なステップです。
結果をもとに、必要に応じてホルモンバランス・感染症・生活習慣などを総合的に評価し、個々に合わせたサポートを行います。
気になる症状がある方、妊活中の方は一度ご相談ください。